(毎日.jpより)
介護福祉士:優しく力持ち、元力士の祖父江さんと斎藤さん奮闘−−一宮 /愛知

 気は優しくて力持ちを地でいく2人の介護福祉士が、一宮市萩原町花井方の住宅型有料老人ホーム「ヴィヴァハウス」で働いている。高砂部屋で一緒に稽古(けいこ)した元力士の神奈川県平塚市出身、祖父江正一さん(29)と稲沢市出身、斎藤悟さん(30)だ。笑顔でお年寄りに接する2人は、施設の運営とレクリエーションを担当。流しそうめんや大相撲名古屋場所観戦、相撲交流会など「入所者と一緒になって楽しむ」を基本に計画を立てている。【渡辺隆文】

 ◇お年寄りの笑顔見て、うれしい  祖父江さんは中学卒業と同時に入門し、現役時代も巡業先などで施設を慰問していた。そんな中で、祖父や義父が介護を必要とするようになり、この介護の世界に興味を持った。  転機が訪れたのは23歳。幕下39枚目の時だった。稽古で首を痛め、医師から引退か、頭からぶつかる相撲のスタイルを変えるか判断を迫られた。「取り口を変えるぐらいなら、引退して介護の道へ進もう」と引退を決めた。その後、慰問で訪れたことがあるヴィヴァハウスに「介護の勉強をさせてほしい」と頼み、働くようになった。05年に介護福祉士の資格を取得した。  一方の斎藤さんは高校を中退して17歳で入門した。8年近く努力したが三段目。「これ以上は厳しいかな」と25歳で引退した。その後、1年半近く体を休めていたが、仲の良かった祖父江さんから「次の仕事が決まるまで、施設の仕事を手伝ってくれないか」と誘われた。そして06年に介護福祉士となった。

 2人は力仕事はお手のものだ。だが、トイレの介助をしたくても、体が大きすぎて連れていくことができないといった悩みもある。  2人は「この仕事について本当によかった。やりがいがあり、お年寄りの笑顔を見られるだけでうれしい」とにこやかだった。

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